2025/12/19
スカイツリーの真下で、200年続く漆喰の話を聞いた
INDEX
同居の距離を、心地よく整えるために。
家族やパートナーとの関係が、
すっと軽くなる視点を届けます。
心地よい同居へのヒントを、そっと集めています。
今日は、スカイツリーの真下で出会った
200年続く漆喰メーカーさんのお話から、
長く住み継ぐ家づくりについて考えてみます。
スカイツリーの足元で考えたこと
建泉舎さんのショールームは、
東京スカイツリーの真下にあります。


日本でいちばん新しい建築技術の象徴の足元で、
ペリー来航の頃から続く「漆喰」の話を聞く。
少し不思議な組み合わせですが、
その場所に立ったとき、
「家づくりって、何を新しくして、
何を昔からの知恵に委ねるべきなんだろう」
そんなことを考えました。
同居や二世帯住宅は、
最新であることよりも、
長く続けられることが何より大切な住まいです。
その視点で見たとき、
漆喰という素材は、とても示唆に富んでいました。
ペリー来航の頃から続く、石灰づくりという仕事
建泉舎さんの関連会社である村樫石灰工業株式会社は、
ペリー来航の時代から続く会社だそうです。
石を焼き、
砕き、
粉にし、
水と合わせて壁になる。
工程自体は、とてもシンプルです。
でも、そのシンプルな仕事が、
200年近く続いてきたという事実には、
やはり理由があるのだと思います。
流行や新技術が次々と生まれる中で、
残り続けてきた素材。
それは、
「特別にすごいから」ではなく、
「無理がなかったから」なのかもしれません。
日本の城に使われてきた理由
漆喰は、日本の城の壁にも使われてきた素材です。
雨にさらされ、
湿気にさらされ、
火災のリスクも高い場所。
人が暮らす住宅よりも、
ずっと過酷な環境で使われてきました。
それでも、
壁としての役割を果たし続けてきた。
そう考えると、
漆喰は「快適さ」を求める前に、
環境に耐え、空間を守る素材だったのだと思います。
同居住宅も、
人が多く、生活のリズムが重なり合う分、
住まいへの負荷は決して小さくありません。
城の壁として選ばれてきた素材が、
家族を守る壁としても選ばれてきた理由が、
少しわかった気がしました。
アルカリ性という、静かな働き
漆喰はアルカリ性の素材で、
菌やウイルスが増えにくい環境をつくる
役割があると言われています。
何かを「防ぐ」ために
強く主張する素材ではありません。
ただ、
空間の状態を、
静かに、自然に整えてくれる。
小さな子どもや、
高齢の家族がいる家では、
「気をつけ続けなくていいこと」
そのものが安心につながります。
機械やルールで管理するのではなく、
素材そのものが、
そっと支えてくれる。
漆喰の価値は、
そんなところにあるのだと思いました。
体験スペースで感じた「呼吸の違い」
ショールームには、
一般的なビニールクロス仕上げの部屋と、
漆喰仕上げの部屋を比べられる体験スペースがありました。



熱心に解説してくれました
正直に言うと、
入った瞬間に
「あ、違うな」と感じました。
特別な香りがするわけでもなく、
空気が冷たいわけでもない。
でも、
漆喰の部屋のほうが、
呼吸がしやすい。
深呼吸をしようと意識しなくても、
自然に息が入ってくる感じです。
数値で説明するのは難しいですが、
同居住宅では、
こうした小さな感覚の積み重ねが、
暮らしのストレスを減らしていくのだと思います。
人が増えると、
音も、においも、気配も増えます。
だからこそ、
空気そのものがやさしいことは、
想像以上に大切なのかもしれません。
同居・二世帯の住宅だからこそ、素材が効いてくる
同居や二世帯住宅は、
「間取り」や「距離感」に意識が向きがちです。
もちろん、それらも大切ですが、
実際の暮らしでは、
もっと手前のところで
ストレスが生まれることも多いと感じています。
それが、
空気だったり、
湿気だったり、
においだったり。
人が増えると、
空間にかかる負荷は確実に増えます。
漆喰は、
そうした負荷を
設計やルールで抑え込む前に、
空間そのものをやさしく整えてくれる素材
なのだと思いました。
距離を取る設計を考える前に、
まず「呼吸がしやすい空間」をつくる。
同居住宅では、
そんな順番も大切なのかもしれません。

まとめ|素材は、家族の黒子でいい
漆喰は、
目立つ素材ではありません。
でも、
長い時間、
人の暮らしのそばにあり続けてきました。
ペリー来航の頃から続き、
日本の城を守ってきた素材が、
いま、同居住宅に合う理由。
それは、
家族の健康や関係性を、
「管理」するのではなく、
静かに支えてくれるところにあるのだと思います。
同居を考えるとき、
間取りやお金の前に、
その家で
どんな呼吸をしたいのか。
スカイツリーの足元で聞いた漆喰の話は、
そんな原点を、
改めて思い出させてくれました。
家は、完成した瞬間よりも、
時間とともにどう育っていくかが大切なのかもしれません。
無理をせず、長く心地よく続く住まいを考えていきましょう。
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