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北欧の人は、照明で「冬を楽しく」していた!〜ヒュッゲに学ぶ、灯りの力〜第2回(全5回)

はじめに

北欧の冬は、長くて、暗い。
朝起きてもまだ外は暗くて、午後にはもう日が沈む——そんな日が何ヶ月も続きます。

でも、そんな冬を“楽しく”過ごすために、北欧の人たちはとっておきの知恵を持っているんです。
そのひとつが「照明の使い方」。
単に「明るく照らす」ではなく、「心地よく過ごすために灯す」という考え方です。


「ヒュッゲ」って知っていますか?

デンマーク語で「Hygge(ヒュッゲ)」とは、
**“居心地のよい時間”や“ほっとする空間”**を意味する言葉。

例えば——

  • キャンドルのやさしい光のもとで、家族とゆったり過ごす夕方

  • スタンドライトのあかりに包まれて、ひとり読書する夜

  • 暗い外から帰ってきて、玄関で迎えてくれるほんのりとした灯り

そうした何気ない“光の風景”こそが、ヒュッゲなんです。

北欧では、照明は生活を照らす道具というより、心を落ち着かせるパートナーのような存在。
だからこそ、北欧の家にはたくさんの小さな灯りがあります。


キャンドルの国・デンマーク

実は、デンマークは世界で最もキャンドルを消費する国とも言われています。
電気があるのに、なぜわざわざロウソクを灯すのでしょうか?

それは、キャンドルが心をやさしく照らしてくれる光だから。
あたたかく、ちらちらと揺れる灯りには、不思議と安心感がありますよね。

北欧の人たちは、それを毎日の暮らしに取り入れて、
「暗さ」さえも楽しんでいるのです。


PHランプのやさしさに学ぶ

北欧の照明文化を語るうえで欠かせないのが、PHランプ
これは1920年代、デンマークのデザイナー「ポール・ヘニングセン」が設計した照明器具で、
**“電球の光が直接目に入らないように設計された”**のが最大の特徴です。

多層のシェードが光をやさしく拡散し、
空間にまぶしすぎない、やわらかいあかりを広げてくれます。

これはまさに、「ヒュッゲの光」。
北欧では、照明のデザインも“やさしさ”を追求してきたんですね。


二世帯住宅にも、ヒュッゲの光を取り入れてみよう

親世帯・子世帯が暮らす二世帯住宅こそ、
「心地よい光」で“家の空気”を整えることが大切です。

たとえば——

  • 共有リビングにスタンドライトを置いて、リラックスできる灯りを演出

  • 食卓にペンダントライトを下げて、会話が自然に生まれるような光をつくる

  • 夜中のトイレや廊下には足元灯で、安心できる「そっとした灯り」を設置

  • 和室には和紙の照明で、和のヒュッゲを演出するのもおすすめ

光は「世代間の感覚の違い」をつなぐ“やさしい橋”になるかもしれません。


おわりに

照明は、ただ部屋を明るくするだけの存在ではありません。
心の温度を上げてくれる、そんな力を持っています。

次回は、アメリカやドイツの「便利で機能的な照明」に注目!
スマート照明の話も交えながら、暮らしやすい光のアイデアをご紹介します。

この記事を書いた人

金内 浩之

「マスオ建築士」同居歴は22年目に突入!
一級建築士
宅地建物取引士
木造住宅診断士
住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー
相続診断士(一般社団法人 相続診断協会認定)
伝統再築士

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