2026/01/22
「アール・デコとモード展」で感じた、快適さだけでは語れない空間の魅力
INDEX
同居の距離を、心地よく整えるために。
家族やパートナーとの関係が、
すっと軽くなる視点を届けます。
心地よい同居へのヒントを、そっと集めています。
先日、「アール・デコとモード展」を見に行ってきました。
展示そのものも、もちろん印象的でしたが
それ以上に強く残ったのは、会場全体がつくっていた空気でした。
作品を見る前から、
「この場所は、ただの展示空間ではないな」
そんな感覚がありました。


時代の違うものが、うまく共存していた建物
会場となっていた建物は、東京駅近くの三菱一号館美術館。
いつ建てられたのかは知りませんでしたが、
壁の仕上げや扉の重厚感、外壁のレンガなどに、
はっきりと当時の趣を感じる空間でした。
それが、丸の内の高層ビル群の中に自然に溶け込んでいる。
この「違和感のなさ」が、とても印象に残りました。
古いものをそのまま保存するのではなく、
かといって、無理に今風に塗り替えるわけでもない。
時代の異なるもの同士が、きちんと整理されて並んでいる。
この感じは、
リノベーションで私たちが大切にしている考え方に、
とても近いものだなと感じました。


照明がつくっていた、静かな緊張感
展示室に入って、もうひとつ強く印象に残ったのが照明です。
全体を均一に明るくするのではなく、
壁に反射した光や、
作品の輪郭だけをそっと浮かび上がらせるような光。
派手ではないのに、
空間に静かな緊張感が生まれていました。
住宅でもよく、
「とにかく明るくしたい」という要望をいただきます。
もちろん明るさは大切ですが、
明るさ=心地よさ、とは限りません。
光の当て方や、逃がし方によって、
空間の印象や居心地は大きく変わります。
この展示空間は、そのことを改めて教えてくれました。


「快適さ」を優先しない美しさに、少し戸惑った
展示されていた100年前のイブニングドレスやモードの衣装は、
とにかく美しく、存在感がありました。
一方で、当時のドレスはコルセットによって
胴体を強く締め付ける構造になっています。
見た目を最優先するために、
着心地や健康面は、正直かなり心配になります。
住宅は、真逆です。
基本的には、快適さや安全性が最優先されます。
ただ、
快適さだけを追い求めた結果、
どこか記憶に残らない空間になってしまうこともある。
展示を見ながら、
「快適さ」と「意志のあるデザイン」のバランスについて、
考えさせられました。


階段という「リセットのための空間」
展示室と展示室の間にある階段も、とても印象的でした。
階段そのものはとてもシンプルで、
装飾もほとんどありません。
でも、次の展示へ向かう途中で、
一度頭がリセットされるような感覚がありました。
住宅でも、階段はただの移動経路ではありません。
特に二世帯住宅では、
世帯と世帯の間にある**緩衝帯(バッファーゾーン)**として、
とても重要な役割を果たします。
近すぎないための「間」。
干渉しすぎないための、ひと呼吸置ける場所。
展示の階段は、そんな空間の大切さを思い出させてくれました。




色の組み合わせが語っていた、時代のメッセージ
ドレスやジュエリー、グラフィック作品を見ていて感じたのは、
素材や技術だけでなく、
色の組み合わせそのものが、強いメッセージを持っていたことです。
大胆だけれど、無秩序ではない。
派手だけれど、品がある。
色によって、時代の空気や価値観が語られていました。
住まいにおいても、色は単なる装飾ではありません。
家族の距離感や、空間の役割を
静かに伝える要素でもあります。



まとめ
今回の展示は、美術やファッションの展覧会でありながら、
建物、照明、動線といった要素が、
とても「暮らし」に近いものでした。
快適さだけでは測れないもの。
あえて残す緊張感や、距離。
そうしたものを、
どう住まいの中に取り込んでいくか。
設計者として、改めて考えさせられる展示でした。
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