2025/05/29
親と同居、失敗しない家づくりのコツとは? 建築士が23年の同居生活から学んだこと
INDEX
同居の距離を、心地よく整えるために。
家族やパートナーとの関係が、すっと軽くなる視点を届けます。
心地よい同居へのヒントを、そっと集めています。
親との同居、うまくいくか不安ですよね?
親と子が心地よく暮らすためには、“距離の整え方”に少しの工夫が必要です。
「親と同居って、実際のところどうなんだろう…?」
同居を検討している方の多くが抱える不安。私自身、建築士として数多くの二世帯住宅を設計してきましたが、自分が家を建てるときは迷いもありました。
私の家族構成は、建築当初は5人。妻の両親、妻の妹、そして私たち夫婦。いわば“同居のフルメンバー”でした。
それから約23年が経ち、現在は妻の母、妻、私の3人で暮らしています。
いま振り返っても、**「同居してよかった」**と心から思える日々を送っています。
同居生活にある“リアルな課題”とは?
同居には、もちろん良いことばかりではありません。特に最初のころは、生活時間やライフスタイルの違いに戸惑いました。
- キッチンもお風呂も共有だったため、洗濯や入浴の時間がかぶることもしばしば。
- トイレや洗面所はそれぞれ設けましたが、「あ、今使ってるな」と気を遣うことも。
また、暮らしの中で見えてきたのが「音の問題」。
生活リズムが違うと、話し声やテレビの音などが意外と響くのです。
建築士として設計に活かしている“リアルな気づき”
こうした経験は、私が設計を手がける際の大きな財産になっています。
実体験をもとにした設計では、以下の点を大切にしています。
- 動線を重ねない配置:キッチンや洗濯スペースを互いに干渉しにくく。
- 音の抜けをコントロールする間取り:空間に抜け感を持たせつつ、生活音の配慮。
- “誰かがいる安心感”を生む共有スペースの設計:完全分離で孤立しない工夫。
たとえば、我が家では水廻りは共有ですが、「干渉しすぎない距離感」が保てています。これは日々の暮らしで家族の役割やリズムを自然と調整してきた結果とも言えます。
失敗しがちなポイントと、建築士からの提案
距離のズレは、生活リズムや期待の違いから生まれます。
これまで多くのお客様のご相談を受けてきましたが、以下のような**“ありがちな失敗”**が見られます。
● 完全に分けすぎて「孤立」してしまう
→少しの共有空間があることで、声をかけやすくなり、心理的な距離が縮まります。
● 音やにおいへの配慮が不足
→建材選びや壁の配置で大きく変わります。防音ドアや二重壁なども検討の価値あり。
● 生活動線の“ぶつかり”がストレスに
→朝・夜のピークタイムを想定したレイアウトが重要です。
私が同居して“よかった”と思える理由
もちろん不便なこともありますが、私にとっては「家族が助け合えることの安心感」が何より大きいです。
- 誰かが家にいる、という心の余裕
- 家事の分担で自分の役割を持つ(私は食器洗い担当。おかげさまで食洗機より早くなりました!)
- ちょっとした会話が生まれるキッチンや洗面所
こうした日常が、家族の絆を自然に育んでくれるのだと感じています。
建築士として伝えたい、親と同居の家づくりの考え方
家は、「住む箱」ではありません。
暮らし方を支える器であり、家族の関係を育てる場所だと思います。
同居を選ぶかどうか、正解は一つではありません。けれど、実際に暮らしてみたからこそ言えるのは、
「間取りは、家族の関係性をつくるフレーム」
ということです。
小さな工夫が、親子の距離をやさしく整えてくれます。
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