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実家リノベ学について
このシリーズの目的や読み方は、
[【はじめに】実家リノベ学|実家を未来へつなぐための教科書]をご覧ください。

― 家族の歴史を未来へつなぐ住まいの教科書 ―

はじめに

「実家を建て替えるべきか、それともリノベーションするべきか。」

近年、このようなご相談をいただく機会が増えています。

建築費の高騰、親世代の高齢化、相続、空き家問題など、住まいを取り巻く環境は大きく変化しています。

しかし、私がお客様に最初にお聞きするのは、建築費や間取りのことだけではありません。

「この家に愛着がありますか?」

ということです。

なぜなら、実家は単なる建物ではないからです。

そこには家族の思い出があり、人生の節目があり、何気ない日常が積み重ねられています。

実家リノベーション学の第1講では、なぜ今「実家リノベーション」という考え方が必要なのか、その根本から考えていきます。


実家とは、人生の原点である

皆さんにとって「実家」とは、どのような場所でしょうか。

私にとって実家とは、気持ちのよりどころであり、いつでも帰ることのできる場所であり、自分の原点を思い出させてくれる場所です。

ふと部屋を見渡したとき、柱についた傷や玄関の景色、階段を上る音から、昔の出来事を思い出すことがあります。

そこには、今は亡き家族の気配さえ感じることがあります。

家は、単なる建築物ではありません。

家族が暮らした時間を受け止め、記憶を積み重ねてきた場所なのです。

だから私は、実家が取り壊されるという話を聞くと、建物がなくなるだけではなく、家族の歴史まで失われてしまうような寂しさを感じます。


建て替えだけが正解ではない

もちろん、すべての実家を残すべきだと言いたいわけではありません。

耐震性や建物の状態、将来の暮らし方によっては、建て替えが最適な選択になることもあります。

一方で、愛着のある住まいを活かしながら、これからの暮らしに合わせて再生できるケースも数多くあります。

大切なのは、「建て替えるか」「リノベーションするか」という方法論から考えることではありません。

まず考えるべきなのは、

  • この家に愛着はあるか。
  • 残したい思い出はあるか。
  • この家で、これからどのような暮らしをしたいか。

ということです。

住まいづくりは、工法を選ぶことではなく、家族の未来を考えることから始まります。


リノベーションは「新築を安く建てる方法」ではない

私は、ときどきこんなご相談を受けます。

「新築は高いから、リノベーションの方が安く済みますよね。」

しかし、この考え方だけでリノベーションを選ぶことはおすすめしていません。

また、「リノベーションをすれば、新築と同じようにすべて新品になる」と考えてしまうことも、後悔につながる原因になります。

リノベーションは、新築の代用品ではありません。

既存の建物だからこそ残せる価値を見つけ、必要な性能を高め、これからの暮らしに合わせて再生していく住まいづくりです。

だからこそ、「残すもの」と「新しくするもの」を見極めることが大切なのです。


Lakkeが考える実家リノベーション

Lakkeは、二世帯住宅の設計から始まった会社です。

数多くのご家族とお話しする中で気づいたことがあります。

それは、家族によって「心地よい距離感」はまったく違うということです。

いつも一緒にいたい家族もあれば、ほどよい距離があるからこそ良い関係を築ける家族もあります。

だから私たちは、間取りを考える前に、家族の関係性を考えます。

これが、

「家族の距離感をデザインする」

というLakkeの理念につながっています。

住まいとは、家族が安心して暮らし続けるための器です。

完成した瞬間だけ美しい家ではなく、10年後、20年後も「この家に住み続けたい」と思える住まいを目指しています。


成功する実家リノベーションとは

私が考える成功とは、工事が終わった瞬間ではありません。

親世代が、長年暮らしてきた家に違和感なく安心して住み続けられること。

そして子世代が、

「この家なら、これからも住み続けたい。」

そう思えることです。

住まいに安心感があれば、毎日の暮らしは豊かになります。

帰る場所があること。

その場所がこれからも残っていくこと。

その安心感こそが、実家リノベーションの本当の価値だと私は考えています。


家族の未来の選択肢をつくる

私は建築士として、家族の未来を決める仕事をしているとは思っていません。

私の役割は、

家族の未来の選択肢をつくることです。

同居という選択。

二世帯住宅という選択。

住み継ぐという選択。

一部を賃貸として活用する選択。

その家族にとって最適な未来は、一つではありません。

建築だけではなく、家族、相続、不動産、地域とのつながりまで含めて考えることで、本当にその家族らしい住まいの形が見えてきます。


まとめ

実家リノベーションとは、古い家を新しくすることではありません。

家族の歴史を受け継ぎ、これからの暮らしに合わせて住まいを育てていくことです。

この「実家リノベーション学」では、建築の知識だけではなく、家族、暮らし、相続、不動産、地域との関わりまでを含め、住まいを未来へつなぐための考え方をお伝えしていきます。

もしこの第1講を読んで、「自分の実家について少し考えてみよう」と思っていただけたなら、それが実家リノベーション学の第一歩です。

📖 実家リノベ学とは
家族の歴史を未来へつなぐ住まいづくりをテーマに、一級建築士・金内浩之が建築・家族・相続・暮らしについて体系的にお伝えするLakkeオリジナルの連載です。

IROHA BLOG 実家をリフォームして住むという選択|実家リノベ学 第0講

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この記事を書いた人

金内 浩之

「マスオ建築士」同居歴は23年目に突入!
一級建築士
宅地建物取引士
木造住宅診断士
住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー
相続診断士(一般社団法人 相続診断協会認定)
伝統再築士

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