2026/07/13
なぜ今、実家リノベーションなのか【実家リノベ学 第1講】
INDEX
同居の距離を、心地よく整えるために。
家族やパートナーとの関係が、
すっと軽くなる視点を届けます。
心地よい同居へのヒントを、そっと集めています。
実家リノベ学について
このシリーズの目的や読み方は、
[【はじめに】実家リノベ学|実家を未来へつなぐための教科書]をご覧ください。
― 家族の歴史を未来へつなぐ住まいの教科書 ―
はじめに
「実家を建て替えるべきか、それともリノベーションするべきか。」
近年、このようなご相談をいただく機会が増えています。
建築費の高騰、親世代の高齢化、相続、空き家問題など、住まいを取り巻く環境は大きく変化しています。
しかし、私がお客様に最初にお聞きするのは、建築費や間取りのことだけではありません。
「この家に愛着がありますか?」
ということです。
なぜなら、実家は単なる建物ではないからです。
そこには家族の思い出があり、人生の節目があり、何気ない日常が積み重ねられています。
実家リノベーション学の第1講では、なぜ今「実家リノベーション」という考え方が必要なのか、その根本から考えていきます。
実家とは、人生の原点である
皆さんにとって「実家」とは、どのような場所でしょうか。
私にとって実家とは、気持ちのよりどころであり、いつでも帰ることのできる場所であり、自分の原点を思い出させてくれる場所です。
ふと部屋を見渡したとき、柱についた傷や玄関の景色、階段を上る音から、昔の出来事を思い出すことがあります。
そこには、今は亡き家族の気配さえ感じることがあります。
家は、単なる建築物ではありません。
家族が暮らした時間を受け止め、記憶を積み重ねてきた場所なのです。
だから私は、実家が取り壊されるという話を聞くと、建物がなくなるだけではなく、家族の歴史まで失われてしまうような寂しさを感じます。
建て替えだけが正解ではない
もちろん、すべての実家を残すべきだと言いたいわけではありません。
耐震性や建物の状態、将来の暮らし方によっては、建て替えが最適な選択になることもあります。
一方で、愛着のある住まいを活かしながら、これからの暮らしに合わせて再生できるケースも数多くあります。
大切なのは、「建て替えるか」「リノベーションするか」という方法論から考えることではありません。
まず考えるべきなのは、
- この家に愛着はあるか。
- 残したい思い出はあるか。
- この家で、これからどのような暮らしをしたいか。
ということです。
住まいづくりは、工法を選ぶことではなく、家族の未来を考えることから始まります。
リノベーションは「新築を安く建てる方法」ではない
私は、ときどきこんなご相談を受けます。
「新築は高いから、リノベーションの方が安く済みますよね。」
しかし、この考え方だけでリノベーションを選ぶことはおすすめしていません。
また、「リノベーションをすれば、新築と同じようにすべて新品になる」と考えてしまうことも、後悔につながる原因になります。
リノベーションは、新築の代用品ではありません。
既存の建物だからこそ残せる価値を見つけ、必要な性能を高め、これからの暮らしに合わせて再生していく住まいづくりです。
だからこそ、「残すもの」と「新しくするもの」を見極めることが大切なのです。
Lakkeが考える実家リノベーション
Lakkeは、二世帯住宅の設計から始まった会社です。
数多くのご家族とお話しする中で気づいたことがあります。
それは、家族によって「心地よい距離感」はまったく違うということです。
いつも一緒にいたい家族もあれば、ほどよい距離があるからこそ良い関係を築ける家族もあります。
だから私たちは、間取りを考える前に、家族の関係性を考えます。
これが、
「家族の距離感をデザインする」
というLakkeの理念につながっています。
住まいとは、家族が安心して暮らし続けるための器です。
完成した瞬間だけ美しい家ではなく、10年後、20年後も「この家に住み続けたい」と思える住まいを目指しています。
成功する実家リノベーションとは
私が考える成功とは、工事が終わった瞬間ではありません。
親世代が、長年暮らしてきた家に違和感なく安心して住み続けられること。
そして子世代が、
「この家なら、これからも住み続けたい。」
そう思えることです。
住まいに安心感があれば、毎日の暮らしは豊かになります。
帰る場所があること。
その場所がこれからも残っていくこと。
その安心感こそが、実家リノベーションの本当の価値だと私は考えています。
家族の未来の選択肢をつくる
私は建築士として、家族の未来を決める仕事をしているとは思っていません。
私の役割は、
家族の未来の選択肢をつくることです。
同居という選択。
二世帯住宅という選択。
住み継ぐという選択。
一部を賃貸として活用する選択。
その家族にとって最適な未来は、一つではありません。
建築だけではなく、家族、相続、不動産、地域とのつながりまで含めて考えることで、本当にその家族らしい住まいの形が見えてきます。
まとめ
実家リノベーションとは、古い家を新しくすることではありません。
家族の歴史を受け継ぎ、これからの暮らしに合わせて住まいを育てていくことです。
この「実家リノベーション学」では、建築の知識だけではなく、家族、暮らし、相続、不動産、地域との関わりまでを含め、住まいを未来へつなぐための考え方をお伝えしていきます。
もしこの第1講を読んで、「自分の実家について少し考えてみよう」と思っていただけたなら、それが実家リノベーション学の第一歩です。
📖 実家リノベ学とは
家族の歴史を未来へつなぐ住まいづくりをテーマに、一級建築士・金内浩之が建築・家族・相続・暮らしについて体系的にお伝えするLakkeオリジナルの連載です。
IROHA BLOG 実家をリフォームして住むという選択|実家リノベ学 第0講
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