「楽」のある家々
練馬区石神井町 S様
完全分離でも、つながりは残したい|練馬区石神井町
心地よい距離があると、家は静かに整っていく。
暮らしに寄り添う二世帯・同居リノベーションの実例を集めました。
― 祖母の家の記憶を受け継ぐ、母娘同居リノベーション ―
練馬区 S様邸|鉄骨系ハウスメーカー住宅のリノベーション
同居を考え始めたとき、
多くのご家族が最初に悩むのは、間取りや設備ではありません。
「どれくらいの距離で暮らすのがいいのか」
この答えが見えないまま、計画が止まってしまうケースも少なくありません。
今回ご紹介するのは、
完全分離型を選びながらも、
家族のつながりを大切にした母娘同居のリノベーション事例です。

この家族が悩んでいたのは、「完全に分けること」への不安でした
ご相談のきっかけは、
長く住み続けてきたご実家を、これからの暮らしに合う形へ整えたい、
というものでした。
生活リズムや価値観の違いを考えると、
完全分離のほうが安心だと感じる一方で、
「分けてしまうことで、関係まで遠くなってしまうのではないか」
という不安も、心のどこかに残っていました。
一緒に暮らすからこそ、
気を使いすぎず、我慢もしすぎない。
そのために必要なのは、
近づくことよりも、距離を整えることでした。
選んだのは、「分けても、つながり続ける距離」
この住まいで大切にしたのは、
「分けても、つながりは残る安心感」という距離の取り方です。
玄関や水まわりはきちんと分け、
それぞれの生活が干渉しすぎないようにする。
一方で、顔を合わせたいときには、
自然と集まれる場所を残す。
完全分離か、共有か。
その二択ではなく、
家族にとって無理のない中間点を探していきました。
将来的に家族構成が変わった時には、
片方の住居を賃貸住宅にすることも、
可能性として残しました。

家族の時間をつないできた木材を、これからも使い続けるために
ダイニングに置かれた造作テーブルには、
この家ならではの背景があります。
この天板に使われている木材は、
以前、お祖母様が暮らしていた家で、
階段の板として使われていたものでした。
家族が行き来するたびに踏みしめられ、
長い時間を共に過ごしてきた木材です。
住まいの形は変わっても、
その記憶まで手放す必要はない。
そう考え、この木材は、
家族が向き合うダイニングテーブルとして生まれ変わりました。
家族のつながりを“形”として残す。
この家の考え方を象徴する存在です。


完全分離を支える、さりげない設計の工夫
完全分離と聞くと、
「行き来しない」「関係が薄くなる」
そんなイメージを持たれることもあります。
この住まいでは、
分けることが目的ではなく、
切り替えられることを大切にしました。
玄関ホールは、
外からの動線と、家の中の動線を自然に切り替える場所。
それぞれの生活に戻るための、
静かな境界として設えています。
また、トイレや水まわりも分離し、
時間や音に気を使わずに済む環境を整えました。
日常の小さなストレスを減らすことが、
長く続く同居には欠かせません。
快適な完全分離の住まいを実現するためにも、断熱性能から見直し、
冬の寒い朝や、夏の暑い夜などにも、快適に過ごせるように改善しました。
目に見えない部分だからこそ、暮らしやすさが左右される部分です。



ひとりになれる場所があることも、同居の条件
室内だけでなく、
外とつながるウッドデッキも設けています。
家族と距離を取りたいとき、
気持ちを切り替えたいとき。
家の中に閉じきらず、
少し外へ開放する場所があることも、
安心して同居を続けるための大切な要素です。


この事例が教えてくれること
完全分離は、
関係を完全に分けてしまう選択ではありません。
それよりは、
関係を続けるために、距離を整える選択
と言えるかもしれません。
ご家族との距離は、それぞれ違います。
だからこそ、
正解を決めつけず、
そのご家族にとっての「ちょうどいい距離」を
一緒に探していくことが大切なのかなと思います。
家族との距離をどう整えるかについては、
こちらの記事で整理しています。
▶︎ 2025年の施工事例から見えてきた、6つの「距離のかたち」
https://www.lakke.co.jp/blog/family-distance-archive/
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よろしければ、こんな事例もあります。
二世帯・同居住宅という考え方を、
様々な視点から整理しています。
▶︎ その他の二世帯・同居住宅の間取り事例・記事を見る
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