2023年10月26日(木)
こんにちは、Lakke(ラッケ)マスオ建築士の金内です。
最近は古民家の良さを再認識する日々が続いています。伝統再築士(古民家再生に精通した建築士)という資格があることを知り、さっそく研修を受講して無事「伝統再築士」になることができました。
そもそも古民家というのは、「築50年以上経過した日本の住居」だそうです。
建物の構造についても古民家と今の木造住宅(世間一般的な在来木造)では、地震に対する考え方が違います。
古民家:今で言うところの「免震構造」(A)
柱や梁自体が太く、地震等で骨組みが揺れた場合にその材料の持つ復元力(曲げられたとしても元に戻ろうとする力)を活かした考え方。
在来工法:「耐震構造」(B)
柱や梁などの骨組みの接合部を耐震金物で固め、筋交いや構造用面材で地震に対して対応するという考え方。
Aの免震構造は、柳の木のように地震の揺れに対して建物が柔軟に揺れて力を受け逃す構造に対して、Bの耐震構造は建物自体が金物等でガッチリと固めて、揺れ動かないようにする工法です。
先日、古民家のリノベーションについての研修を受けたのですが、建物の耐震補強をする場合に、上記のことを考慮せずに耐震補強をされてしまっている事例が散見されていると聞きました。
既存の骨組みの特徴をしっかりと把握しながら、その建物の良さを引き出すような補強計画というものが大事なんですね。
ちょっと前に起きた熊本で起きた大きな地震の際に、古民家が屋根瓦を崩しながら倒れかかっているような映像をニュースで拝見しました。「やっぱり古民家の耐震性って・・・」と思ってしまったのですが、これは最初にお伝えした免震構造だからこその現象なのだそうです。
屋根に重量の重い瓦が載っていることは耐震上不利になってしまうのですが、建物が揺れた際に屋根瓦を振り落として、屋根本体の重量を軽くするような仕組みがあるそうです。
(もし古民家にいて、地震が起きた場合にはすぐ外に出ては危険です。)
実際に古民家をリノベーションする際に、耐震補強をする場合には、在来工法の耐震補強のように耐震金物で筋交や構造用面材で固める方法ではなく、揺れを吸収しやすいように適度に柱や梁で補強するのがポイントです。
(この補強する位置も、コンピューターで揺れを解析して補強の位置を決める方法があります。)
お寺のような日本古来からある木造建築も、このような仕組みだからこそ地震の多い日本でも現存しているのでしょうね。
ヨーロッパへ行くと、建物外観は昔のままで内部は現代風にアレンジされた素敵な住宅がたくさんあります。
日本の地でもこのような伝統的な古民家住宅を、快適な住まいにリノベーションできたら素敵なことだなぁと、思いを馳せてみました。
毎月週末を中心に、耐震補強を含めた実家や二世帯のオンライン無料相談会を開催しています。お問い合わせページからのお申込みをお待ちしております。
「マスオ建築士」同居歴は22年目に突入!
株式会社Lakke 金内浩之
一級建築士
宅地建物取引士
木造住宅診断士
住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー
相続診断士(一般社団法人 相続診断協会認定)
伝統再築士
将来同居するかもしれない未来のサザエさん・マスオさんへ
イ・ロ・ハ・二世帯 by Lakke
のべ400棟以上を設計、自身も20年以上同居するマスオ一級建築士が考える二世帯同居のヒントを掲載中